太田府政の「改革」は存在しないことになっている件

大阪維新の会の松井氏のツイートへのツッコミ。何か橋下氏のツイートと良く似た感じですが。


松井一郎(大阪市長) on Twitter: "府議会議員になってから8年8ヶ月、太田知事の頃から民間にできる事は民に任せるという提言を続けてまいりました。太田知事の頃は全く実現出来ませんでしたが、橋下知事になって実現出来ました。それが、府営公園、府営住宅の維持管理です。この二つで毎年、約10億円の経費削減に繋がっています。"

府議会議員になってから8年8ヶ月、太田知事の頃から民間にできる事は民に任せるという提言を続けてまいりました。太田知事の頃は全く実現出来ませんでしたが、橋下知事になって実現出来ました。それが、府営公園、府営住宅の維持管理です。この二つで毎年、約10億円の経費削減に繋がっています。



上記のツイートでは、太田知事では全く民間への業務委託がなされなかったかの様な口ぶりですが、まあ間違っていまして、大阪府では、太田府政の時に総務事務を他に先駆けて民間に業務委託するなどの取り組みを進めた実績があります。


官民共同によるシェアードサービスの実現/大阪府総務サービスセンター(1)
官民共同によるシェアードサービスの実現/大阪府総務サービスセンター(2)


上記のリンク先を見ますと、民間への業務委託で総計400人の人員削減の効果があり、経費削減効果も「府営公園、府営住宅の維持管理」以上の効果があったと見込まれている事業ですが、松井氏にとっては、この「改革を行った」事実は存在しないことになっている様です。府議として「民間にできる事は民に任せる」という提言を続けてこられたのなら、府議に当選された直後に実施されたこの事業は当然お知りになられているはずの話だと思うのですが。僕ですら知っているんだし。


しかし、平松市長の大阪市が財政指標が改善させたら、実際に人員減などを実施した平松市長の功績ではなく、方針を定めた前任者の「改革」の功績だと大阪維新の会は言うのに、大阪府だと前任者の功績はなかったことになって、橋下氏の「改革」の功績になってしまうんですね。何か凄く都合が良すぎる気がしますが。


財政が厳しい状況が続いていますから、太田府政であれ、他の都道府県であれ市町村であれ、どこも行財政改革を進めているわけですが、維新の会の人達は、そういった事実を隠して、この様に前任者や他者が全く「改革」をしておらず、自分達しか「改革」していないかの様に、よく振る舞います。そして往々にしてそれは嘘なのですが、上のツイートが多くリツイートされているように、ある程度、その嘘は効果的に働くわけです。「役所には改革できない」という先入観を利用し、「改革」の功績を自分達で独占しようとする。