ジェンダーの定義について

ジェンダーの定義について、面白いやり取りを見つけたので紹介。


「ジェンダー」は必要か? : 大隅典子の仙台通信さんのジェンダーに関する疑問。

いくつかの文献を読んでみて、実は非常に驚いた。
なんと、「最近のフェミニズムの議論は、もっと大胆な視点を提起している。セックスがジェンダーを規定しているのではなく、むしろ、ジェンダーがセックスを規定している、という指摘である」(『女性学教育/学習ハンドブック ジェンダーフリーな社会をめざして』国立女性教育会館 女性学・ジェンダー研究会編著 有斐閣)という記述を見つけた。
いったいどうしたら、「社会学的性」が「生物学的性」を規定することができるのだろうか???



上記の質問に対するTBで、木々ノ日記@livedoorblogさんが御丁寧に回答されている。

ちょっと辞書を引いてみます

                • -

ジェンダー
【gender】

(1)英文法などで,性。
(2)生物上の雌雄を示すセックスに対し,歴史的・文化的・社会的に形成される男女の差異。また,その差異に対する知識。

この定義は非常に良くできていると思うんですが、重要なのは(2)の後半、「また、その差異に対する知識」というところです。

改めて考えてみますと、生物学的性というのも人間の持っている知識です。
生物学的性という知識は生物学や医学、その他の自然科学によって発達してきましたが、その科学的な営みは人間の社会的・文化的な営みにほかなりません。
観察や経験によって得られた知識であるという点において、生物学的性もジェンダーといえるのです。



木々ノ日記さんの説明に例を加えると、ニホンザルは、従来はオスには順位があって、メスには順位がないものと考えられていたのだが、最近はメスの中でも秩序関係があることが判ってきたらしい。
それが判ってきたのは、女性の研究者が増えてきたからで、男性の研究者は、先入観みたいなものがあって、気がつかなかったという。


科学的と思われる生物学的知識も、実際はその時代の社会的文化的要因の影響を強く受けている。江原由美子さんが放送大学かどこかで言っていた話です。