橋下氏の朝礼の件について

http://sankei.jp.msn.com/politics/local/080313/lcl0803131157002-n1.htm

さらに、橋下知事は「始業前に朝礼をしたかったが、超過勤務になるのでできなかった。たかだか15分の朝礼ができないというなら、勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」と発言。これに対し、後方で聞いていた女性職員(30)が突然立ち上がり、「どれだけサービス残業をやっていると思っているんですか。知事は不満があればメールを送れといって、職場を分断している」と反論した。



僕は大阪府職員ではありませんが、自分のトップが橋下知事だったとして、朝礼に参加して、知事にこの様に言われたら不快になっていたと思うので、その理由を書いてみます。必ずしもこの女性職員と同じ気持ちとは限らないと思いますが。


知っている人には周知の話ですが、民間の人達と同様、県庁の仕事にも残業があって、サービス残業の場合も多いです。残業代の予算自体に制限がある関係上、それは仕方ないのですが、僕の職場の場合は、そもそも残業代がつかないような残業様式というかパターンみたいなものがあって、それに従う事が多いですね。上司が「早く帰れよ」という→職員が「帰ります」と答える→基本的に残業代をつけない3〜4時間程度ぐらいまでの残業をする→終わらなければ持って帰る。


どうしてこんな様式みたいなものがあるのかわかりませんが、多分規則上は時間外勤務は上司の超勤命令を受けてする必要があって、その場合は超勤手当を払う必要があるからじゃないかと思っています。なので、上司は早く帰れという事により、超勤命令を出していない事をはっきりとさせ、職員は「帰ります」と答えることにより、それでも残っているのは「仕事ではなく個人的な理由で残っている」という建前にする。で、命令も出していないのにあまりにも遅くまで職場にいるのはおかしいから、適当な時間で切り上げて帰ると。


ですので、15分の始業前の朝礼には当然出ろと言われたら出ますし、初めから超勤の手当を頂くことも期待していませんけれど、でも、知事が始業前に朝礼をすると言ったら、それは超勤命令や手当の話になりますよ。それは職員が超勤したくない、手当が欲しいと言う話ではなくて、役所の建前上、時間外の業務には命令を出して手当を出さないといけないですから。法律や規則は守らないといけないので。この手の会議ものを時間外に入れると、それは業務そのものになってしまいますし、職員が個人的な理由で勝手に出勤しているという建前になりませんからね。


僕は、府幹部が「始業前の朝礼は超過勤務になる」と指摘したのは、役所だから規則は守らないといけないという建前と、それだったら時間内に朝礼を開始して、その時間分の仕事をサービス残業で職員にしてもらった方が得でしょう?という経済合理性からだと思うのですが、それで知事に「民間では普通、それだったら勤務時間中のたばこや私語も一切認めない」とか言われたら、それは不快になりますね。単に時間外の勤務には超勤命令が必要という建前の話なのに、ここで「民間と比べた公務員の駄目さ加減」の話をして僕達を叩きますかと。


でも色々と他のブログ等を見ていると、サービス残業をするのは無能だから、非効率だからという意見も多いですね。今まで税金で働いているのに、定時で帰れるのはおかしいと叩かれ、公務員も残業している事が判れば、残業代のために日中仕事せず、わざと残っているのだろうと叩かれてきました。それで、サービス残業だという事になれば、今度は残業せざるを得ないその無能さを叩かれる。一体どの様にすれば叩かれないのか、途方に暮れますね…。