大阪府では心身に故障がある教員は行方不明になったものとして取り扱われるらしい件

大阪維新の会大阪府議会に提出した、大阪府教育基本条例案が下記サイトで掲載されていました。
大阪府・大阪市 「教育行政条例」「府立学校条例」 全条文 (教育基本条例案)
教育基本条例(2011.9.21府議会提出) PDFファイル


現在の本条例案のままで、現実に執行することが難しいのは、上記のサイトでも指摘されているのですが、僕も読んでいて「これをこのままで運用しろっていうのは現実的に難しいな」と思ったところがいくつかありました。


まず1点目が、分限処分の指針について定めた第28条でして、例えば、第5項で「別表第4に掲げる教員等は、別表第2第2項に掲げる教員等に該当する可能性のあるものとして、次条及び第33条に基づく対応を開始しなければならない。」と定められています。それで別表第4を見ると、病気からの回復が難しい等の場合について記載されているのですが、対応すべきとされている条文の第33条は、行方不明の場合の分限手続き。どうやら大阪府では、今後心身に故障がある教員は行方不明になったものとして取り扱われるらしいです。


他の項も同じでして、指導力不足と見なされた場合は、心身の故障の場合の分限手続きである第32条により対応しなければならないとされています。能力不足と見なされてたら心身の故障だと扱われ、心身が故障すれば行方不明になったものと扱われるのは何かどこかのディストピアみたいな感じ。


また、職務命令に違反した場合の措置として、第37条第4項で「停職処分を行ったときは、府教育委員会は、分限処分に係る対応措置として、第30条第6項に基づき警告書の交付及び指導研修を実施し、必要に応じ同条第7項から第14項までに定める措置を実施しなければならない。」とあるのですが、第30条は第6項も第7項〜第14項もありません。号ならありますが。存在しない条文に基づいて研修を実施しろ、措置を実施しろと言われても、教育委員会は運用に困るだけの様な。


でも、上記の様な間違いは、条文を素案の段階から1つ削除してその分繰り上がったにも関わらず、その修正が漏れてしまっていたり、「項」と「号」を間違えていたり、基本的な間違いで、普通に複数で確認すれば提出する前に気づく様にも思います。必要な確認を怠った姿勢の問題か、確認しても気づかなかった能力の問題なのか。上記のサイトで載っているのが、実は間違っていて、実際に提出された条例はちゃんと直っているのかもしれませんが、今まで色々と大きな事を言ってきておいて、それで実際に出てきた条例にこんな間違いが色々とあるのは傍目にかなり格好悪い様に思うのですが。