"見えないもの"が見えてしまう件

いつもながらの話ではあるのですが、印象操作っぽいツイートをしているのでそれへの指摘。
橋下徹 on Twitter: "ところが大阪市役所の役人の一部が、いよいよ維新の会が大阪市役所に乗り込んでくることに危機感を覚えたのか、作戦を変更したのでしょう。横浜市役所並みに職員数を削減するというペーパーを作り、それを平松市長は読み上げました。平松市長、市長就任時から職員削減をやっていたら良かったんです。"

ところが大阪市役所の役人の一部が、いよいよ維新の会が大阪市役所に乗り込んでくることに危機感を覚えたのか、作戦を変更したのでしょう。横浜市役所並みに職員数を削減するというペーパーを作り、それを平松市長は読み上げました。平松市長、市長就任時から職員削減をやっていたら良かったんです。



この前後のツイートを見ると、大阪市はさも職員削減に努力しておらず、維新の会から言われて、急遽職員削減に着手したかの様な印象を持つ人もいるかと思いますが、実際のところ、(どこの自治体でもそうだと思いますが)大阪市は平松市長になってからも職員の削減を継続して進めています。
http://www.city.osaka.lg.jp/somu/page/0000092802.html
職員数・人件費のあり方検討


上記の資料を見ますと、大阪市が職員数を継続して削減していることが一目瞭然ですし、また、「横浜市役所並みに職員数を削減する」ということについては、今から1年前の平成22年10月の段階で、平成35年度を目途とした将来の職員数について、横浜市と同等程度にする案を既に作成しています。これは市の新しい計画である「なにわルネッサンス2011−新しい大阪市をつくる市政改革基本方針−」にも出てくる数字でありまして、外部委員による大阪市市政改革検討委員会にも諮られて決定しているものです。


維新の会が大阪市について「将来的な職員数の2割削減」を公約にするという記事を見た時、それだったら今の大阪市の改革案の方が削減率が高いのでないかという感想を持ちましたし、維新の会に対抗して急遽「大阪市役所の役人の一部が作戦を変更した」様には僕には見えないのですが、その様に主張できる何か根拠があったんでしょうか。何か"見えないもの"が見えてしまっているというか、「それには大阪市の役人が裏で動いている」という役人陰謀論になってしまっているというか。


ハシズムの正しい定義について、維新の会の政策顧問の上山氏が言うには「「ハシズム」とは事実と数字をもとに正しい現実を人々に示して、一緒にやろうよと呼びかける変革志向の政治姿勢のことをという。」らしいのですが、少なくとも橋下知事はそれには該当しない様には思いますね。市役所役人の作戦変更の件は僕にも真偽を確かめようがないですが「市長就任時から職員削減をやっていたら良い」という主張は確実に事実に反するというか誤解を与える内容ですし。今までもこの様な印象操作っぽいツイートは見かけましたが、多分選挙が近づけば近づくほど増えていくのでしょう。


また、上山氏のブログで次に書かれている「由来」の文章なんですが、読んでて少し苦笑してしまいました。由来1で「逆に人々に財政赤字などの厳しい現実を示す大人の政治姿勢。」とあるのですが、将来的に早期健全化団体に転落する可能性があるという現実があるにも関わらず、維新の会は「大阪府は破産するところだったが橋下知事が救った」という様な話をしていた様ですし、由来2で「コメンテーターや批評家、学者の多くは現地現場現実を見ない」とありますが、教育基本条例では教育委員全員から全く現場がわかっていないと酷評されましたし。全て逆なんじゃないかという。