南京事件についての雑感

id:kemu-riさんの日記から。

彼らは「南京30万虐殺」しか論議しようとはしない。「南京事件」を議論しようとしない。日本軍が中国で何をやったのかを議論しようとしない。中国は嘘吐きだ、それでお終い。



結局、最近の南京大虐殺否定論というのは、歴史学的な話題というよりも、中国批判のツールとしての意味合いが強いわけで、ツールとして機能するためには、南京大虐殺=30万人説である必要があるということなのかもしれない。


はてなでも散見される南京大虐殺否定論は粗雑なものが多くて、id:kemu-riさんやid:bluefox014さんに突っ込みを入れられて当然だし(論破されていると言ってもいいと思う)、歴史学を修了した者として、歴史学の通説にケチをつけることの困難さはよく判っているので、研究者でもないのに、よくそんなに通説と反対のことを簡単に断定できるなあと思ったり、史実の軽さに寂しい気持ちになったりするんだけど、結局は、中国の主張の欺瞞性を非難したいが為の主張だから、その為のテンプレート(まとめサイト)に沿った一通りの論拠以上のものはないんだろうなあ。歴史学的な論拠はほとんどなおざり。


可能性は少ないかもしれないけど、もし中国が犠牲者30万人に固執せず、日本の研究者が主張しているような数万人〜十数万人の犠牲者数を主張しだした時、巷の南京大虐殺否定論がどの様な反応を示すか、ちょっと見てみたい気もする。