マル激

テーマは「私はなぜ戦わなければならなかったのか」(ゲスト:亀井静香衆院議員)。
亀井氏は「政治家というのは、どんな危険があっても正しいと思うことについては、突き進んでいかなければならない」という主張の中で、例として吉田松陰チェ・ゲバラを出していた。
亀井氏が前からチェ・ゲバラを尊敬しているとは知っていたけど、大臣の座に就きながら、理想のためにあえて苦難の道を選んだ男として、今の自分とゲバラを同一視しているのかもしれない。


亀井氏の事はよく知らないし印象論でしかないんだけど、亀井氏の話は冗長で、自分の話したいことばかり話しているという感じだったし、お世辞にも知性を感じさせるものではなかった。前にマル激に出ていた、英語・中国語もOKの、(寺島実郎氏曰く)自民党の知性を体現したような加藤紘一氏と比べると、正反対というか、その差は歴然としていたと思う。


ただ、だからといって、今回のマル激は全く面白くなかったかと言えばそんなことはなくて、亀井氏が運輸大臣をしていた時の、米国の長官が「交渉決裂だ、制裁する」と言うので、「いいですよ、こちらも同じ制裁をしますから」と返したら、長官がちょっと待ってくれと慌て出したというエピソードの下りは、まあ彼の手柄話なんだけど、話としては非常に面白かった。


今回の「私はなぜ戦わなければならなかったのか」というテーマタイトルは、亀井氏が不利であったとしても戦わなければならなかった「何か」は一体何なのかを探ろうとする問いだったんだろうけど、そういった何かしらの理念や見識を亀井氏が持っているようには見えなかったな。亀井氏本人は否定していたけど、郵政抗争は単なる権力闘争でしかなかったんだという認識がさらに強くなった今週の番組だった。