プチ不平等

山口二郎教授の分析。
http://yamaguchijiro.com/archives/000257.html
現在の政治潮流の分析と民主党への提言。といっても文章を見る限り、あまり民主党には期待していないような気が。

住宅面での衒示的消費の象徴である六本木ヒルズを見てもうらやましいとは感じないが、近所の公務員宿舎には腹が立つというわけである。プチ不平等に対する反感が、グローバル経済にともなう大きな不平等を覆い隠しているという現状である。

リスクそのものを管理するのではなく、リスクにさらされている人間のゆがんだ平等主義を刺激することによって支持を集めるという政治の手法は、まさにファシズムを招き寄せる。その意味では、日本の政治は大きな危機に直面しているのである。

先日書いた、竹中平蔵のスタッフが書いたワル乗り文章は、上記の文脈で言うと、まさに、世代間不公平という「プチ不平等に対する反感」を煽り、フリーターという「リスクにさらされている人間のゆがんだ平等主義を刺激」しようとするものの典型的な例かもしれない。
まあ、この文章は粗悪すぎて、誰もアジられないけど、その「プチ不平等」の象徴であり、「リスクにさらされていないもの」の象徴が「公務員」ということなんだろう。


もちろん公務員だって残業手当もつかないのに夜遅くまで働いたりしている人もいれば、税の徴収など極めてストレスフルな仕事もあるし、自殺する人だっている。それ相応のリスクに晒されているわけなんだけど、完全に悪者のレッテルが貼られているし、スケープゴートと化しているからね。公務員バッシングはまだまだ続くんだろうな。