マル激

テーマは「小泉政治とは何だったのか」で、ゲストは橋本晃和氏(政策研究大学院大学教授)。番組内で興味深かった事を幾つか。


橋本さんは、今回の9.11選挙について、「成熟する民意」(今後のためには負担もやむを得ないと考える民意)と「保身する民意」(従来の構造で利益を受けている民意)と「危うい民意」(日頃政治に関心がないが、改革という言葉に反応する民意)に分けて、郵政民営化でほとんど殆ど何の痛みもない「危うい民意」が、改革が必要だ、痛みも必要だと「成熟する民意」のごとく振舞った結果、都市部で自民党が圧勝したと分析されていた。


この「自分の身が痛まない」というのはポイントかもしれない。
深夜のシマネコさんの記事を感心しながら読ませて頂いたけど、結局、若者層がウヨクになったり、今回の選挙で若者層が小泉自民党に入れたのも、実際まだ親が生きていたり、経済的庇護があったりする中で、本当に自分の身が痛みきっていないということもあるのじゃないのかと思う。本当に自分の身が痛む時機(親の経済的庇護等がなくなった時)が来れば、彼らは再配分を求める(サヨクる)のではないだろうか。


もう一点面白かったのは、外交の「期待水準」について。宮台真司さんが言っていたのだけど、安倍官房長官に対して、中国や韓国が期待している水準は凄く低いので、安倍政権になった場合、少しマイルドな方向に行くだけで彼らは喜ぶ。その為、外交で日本が譲るものが少なくて済むという話。


納得できる話なんだけど、当事者である安倍氏は、そこら辺りの事をおそらくわかっていないんじゃないだろうか。拝見するところ、「中国に譲歩すれば、彼らは図に乗ってさらに要求を積み重ねる(中国に弱みを見せれば付け込まれる)」的なベッタリナショナリズム思考をお持ちの様なので。中国と建設的なwin-winの外交関係を築くのはおそらく無理だろうな。