ゼロトレランス

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ゼロトレランスとは、産経の記事によると、「ルールを明示し、それに生徒が違反すれば毅然とした態度で指導に臨み必ずペナルティーを科す米国流の生徒指導理念」のこと。


はてなブックマークでも指摘されていたけど、

東京都立高で薬物が売買されたり、卒業間際の中学生が、授業中に放送室を占拠し、授業妨害したりと、かつては考えられない事件が各地で起きている。

教育界では、生徒を学校の中心に据える「児童中心主義」という考えがもてはやされており、校則自体を一律に自由を拘束するものととらえ、排除する風潮が教育界を根強く支配している。善悪の価値判断を生徒にきちんと指導で教えることすら「強制」などと批判されるのはその典型だ。

といった記載のあたりに事実の指摘というより産経の主張が垣間見れます。割れ窓理論とかカタカナ言葉を持ち出してきているけど、結局は「若者はなっとらんから、厳しく教育しろ!」と主張したいだけの様な感じ。


いみじくも、今週のマル激で、宮台さんが「規制・ペナルティの強化のもたらす帰結」について語っていたので、その部分を紹介。

  • 過剰流動性が高まる中で、また敗北が予期される状況下では、モラルハザード・社会的参加意欲の低下が広範に広がっていく可能性がある。社会の多様化ではなくて社会の空洞化。
  • それを回避させるために監視をしたり、処罰をしたりペナルティを作ることになるが、残念ながら社会のイメージが段々悪くなっていくので、ますます社会参加の意欲が減る。
  • 処罰やそういったものでは解決できない。社会のイメージが悪くなっていくので悪循環が生まれる。日本の場合は過剰流動性の下では社会の空洞化が起こりやすい。



「社会」の部分を「学校」と読み替えれば、帰結は容易に想像できる様。学校のイメージが悪くなっていく事による学校へのコミットメントの低下。学校の空洞化。結局は、学校からの離脱や学校への面従腹背をもたらし、表面的な秩序が保たれているように見えても、学校の役割低下、学校の機能不全がより一層深刻になっていくだけの様に思う。


まあ、これは成人の日ネタなんだろうね。成人式の若者の狼藉がニュースになるので、それを見て「近頃の若い者は全然なっとらん!」と憤る産経読者オヤジ(的な人)のために、「厳しい教育をしろ!」という読者オヤジのカタルシスのための記事を書く。成人の日&産経読者のための内輪ネタ。