マル激(第251回)

テーマは「麻原彰晃裁判の異常事態が問うもの」。ゲストは、弁護人を務めている松井武弁護士。


オウムの麻原彰晃こと松本智津夫被告が、一昨年の一審の死刑判決に控訴したものの、松本被告心神喪失状態になっていて、控訴趣意書が提出できない状況になっているとのこと。
あんまりマスコミでも最近の状況は報道されないので、彼がこういった状況になっているとは驚き…と書こうとしたら、少しはニュースにはなっているみたい。知らなかった。


Yahoo!ニュース - 共同通信 - 「訴訟能力ない」と意見書 松本被告接見の野田教授 
Yahoo!ニュース - 共同通信 - 訴訟能力めぐり論議 松本被告控訴審で専門家ら


東京高裁は彼には訴訟能力はあるとの立場を崩しておらず、控訴趣意書の提出期限は何回か延期の末に既に過ぎているのだけど、かと言ってすぐに一審判決の死刑で確定!ともならず、高裁の方で、(あくまで慎重を期して)独自に精神鑑定を行うらしい。


なぜ高裁がこんな中途半端な対応をとるのかについては、弁護側の主張するとおり精神鑑定を行って、もし心身喪失状態であることが判明すれば、訴訟も受刑もストップしてしまうので松本被告を死刑に裁けない可能性があってそれは困るし、一方でこの様な状態にある松本被告に対して、さっさと控訴審を打ち切って死刑に処すことにも逡巡しているからとの分析が番組でされていた。なんだかねぇ。


僕は、この様な状態にある彼をどう処すのが適当かについてはよくわからないけど、「松本被告は極悪人だからさっさと死刑にしろ」という世論の雰囲気に流されて、物事が決まってしまうのだけは、避けて欲しいとぼんやりと思う。何か人民裁判みたいな感じがして嫌だしね。