語られる言葉の距離

向き合いの中から生まれるもの、それは対話
ちょっと前にyahooで紹介された今井紀明さんのブログ。イラク人質事件の際に届いた匿名の手紙を公開したことで、彼のもう片方のブログ(今井紀明の日常と考え事)を含めて現在炎上中(doblogのトップページから行ける模様)。


そして、今日付けで、もう片方のブログについて「もう更新しない」旨のエントリが。
NPO法人D×P 今井紀明のブログ


匿名の手紙の内容については、どん底あるいは青い鳥さんの記事で上手く分類されているけど、まあ読んでいて暗澹たる気持ちになった。さらに、彼のブログのコメント欄で、今また同じような言説が繰り返されている事にも。


今井さんのブログを読んでいると、下村健一さんが担当されているラジオ番組のインタビュー記事のことを思い出した。下村さんは、かれこれ2年以上に渡って、人質事件の被害者の一人だった高遠さんを時々ゲストに読んで、現在の高遠さんの活動についての話を聞いている。


その最新の報告は、高遠菜穂子のイラク報告(12) バグダッドのストリート・ボーイズ、ついに自立!で、高遠さんは、自分達が支援しているバクダッドのストリートチルドレンの施設が自立し始めていることについて語っている。その嬉しさがインタビュー記事の行間からも伝わってくるかのよう。

今回、スタッフとボーイズたちからは「日本の皆さんありがとう、もう大丈夫です」という言葉をもらったんです。何回も聞き直したんですが、「もう大丈夫です」と。
(略)
本当に、あの拘束事件後というのは、もうダメだと思っていましたから。本当に、彼らに感謝ですね。とにかく友人(現地スタッフ)が凄いなと思いましたね。最終報告書も、もう貰いました。事件後の主な動きも書いてあるし、人件費だとかセンターの改築費、家具の生産工場の機械などの収支報告も全部細かく書いてくれてます。初期投資としては、もういらないと。
(略)
でも、まだこの《ルート》は小さいし、細いし、狭いので、これを何とか足掛かりにして、「参加したい」とか「何かしたい」という日本の方々がもっと関わりをもてるようになっていけばいい、と思いますね。



今井さんのブログで繰り返される罵詈雑言の言葉と、高遠さんがインタビューで語る前向きな言葉との間の果てしない距離。その差を思うと、寂しさというか侘びしさというか、そういった感情を抱かずにはいられなかった。