亀田騒動とボクシングについての個人的雑感

http://d.hatena.ne.jp/Jonah/20060805/p4


僕はid:Jonahさんみたいにボクシングの経験があるわけでもないし、それほど熱心なボクシングファンでもないんだけど、少し亀田騒動に関する感想みたいなものを。


個人的な話で恐縮だけど、僕が大きくなってからスポーツを見て涙を流したのは、記憶に残っているのは一度だけで、それがボクシングの試合だった。有名な試合だけど、ヘビー級のイベンダー・ホリフィールドリディック・ボウの一回戦の第10R。


そのラウンドは、開始早々にホリフィールドがボウのアッパーをモロに受けて(一瞬意識が飛んでた様に見えた)、いつ倒れるかという感じだったんだけど、ホリフィールドは連打を打たれながらも必死に前進して、後半は、打ち疲れたボウに反撃を行ったラウンドだった。


僕は、そのホリフィールドの姿を見ていて、思わず涙が大量に出てきてしまった。言葉にすると、「ホリフィールドの勇敢さに感動して泣いてしまった」ということになるんだろうけど、ホリフィールドの姿は「勇敢」という言葉では物足りない様な、なにかもっと人間の尊厳というか、偉大さを感じさせるものだったし、その時に感じた「感動」は、普通の「感動」とかとは全く違う、もっと心の奥底を激しく動かされるようなものだったと思う。


そういった経験もあったせいか、ボクシングというスポーツとその選手には、他のスポーツとは少し違う特別な敬意を抱いていたので、何か今回の亀田戦とそれにまつわる騒動というのは、見てて少し悲しい。ボクシングが「八百長」や「疑惑判定」やら「TV局のヤラセ」やらのみで語られ、消費されていくのがね…。僕がホリフィールドの姿に感じた崇高さと全く正反対のものばっかり。


とりあえず、気が滅入るのが、今後も彼達の物語が続いて、同様の状況が繰り返されるということなんだよね。僕とかは、これ以上不快になりたくないから、彼達に関する情報を、目に入らない様に遮断してしまいたくなるし、たぶんそうするだろうけど、それはある意味本当のファンでない人間だから出来ることであって、業界の心ある人達や本当のファンの方はそうも行かないだろうし…。