加藤紘一さん宅の放火と自作自演説

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060815-00000011-yom-soci
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060816it04.htm


相手が誰であれ、暴力で言論を抑圧するのには怒りを感じる。特に加藤紘一さんは自民党の中で一番応援している政治家だったので、その思いはなおさら。


この事件を知った時、犯人らしき人物が既にいて、犯行の内容もいかにも右翼的だったので、これはさすがに自作自演説は出てこないだろうと思ったけど、id:kechackさんとこの記事で、id:sunafukin99さんが「さっそく「右翼に見せかけた左翼の工作」説が出回ってます」とコメントされていて、ちょっとブログを検索してみたら、「今回の事件は加藤紘一が偽右翼を仕込んで、家族がいないのを見計らって火をつけた」とか言っているブログを見つけて、こんな場合ですらも陰謀論が出回るのかとある意味感心してしまった。


それで、ふと思ったのは、「右翼が捕まったこと自体すら、自作自演説に含めてしまうのなら、どこまでも自作自演ということにできるな」ということだった。


例えば、在日の方への嫌がらせの件で、もし日本人が犯人として捕まったとしても、「これは総連が、反日日本人を仕込んで行った自作自演だ」とし、積水ハウスの差別発言の件で、もし徐さんが裁判に勝ったとしても、「差別発言した人間も実は彼らと通じていて、これは積水が、今後クレームがあった際に人権問題を持ち出せる様にするため行った自作自演だ」としてしまう。


この様に、捕まった犯人すらも自作自演の一部にしてしまうのであれば、誰が捕まろうが、いくら裁判で負けようが、自作自演説が覆る日が来ようがないので、いくらでもいつまでも、自分にとって不都合な情報は、自作自演という事にできる。これは便利だ。まあ、考えてみれば、イラク人質事件からして犯人をグルにしているんだけど。


でも、こうやって自作自演説についてグダグダ書いていると、そもそも小泉首相靖国参拝自体が、「中国と韓国が売国政治家である小泉首相と通じて、歴史問題を外交カードにするために行った自作自演であり陰謀だ」という気が何かしてきたぞ…。ネットって想像力がたくましくて陰謀論とか大好きなのに、何で皆さん、小泉さんの靖国参拝については、陰謀論に向けた想像力を働かせないんでしょうね。