豆知識としての南京事件否定論

大東亜戦争を肯定してみると - good2nd


本文も面白かったけど、追記の部分が気になったので。

南京陥落あたりの展示を見ているときに、近くにいたカップルが「あれってウソなの?」「うん、あれウソなんだって」「なんか学校で大虐殺って習ったけど」「でもウソなんだって」「ふーん」という会話をしてました。マボロシ派の言説は案外浸透してるのかもしれません。



これ、僕も体験あるんですよ。職場で、最近、市町村合併が進んでいるから、京都市の南側にある市町が合併したらどんな名前になるかという話になって、『南京都市(みなみきょうとし)』かなあ、これだと、中国の『南京』と名前が殆ど一緒だねという話題になったところで、ある方がふと「でも、南京大虐殺ってなかったみたいですね」とポツリと発言。


仕事の席での話しだし、上役の人の発言なのでそのまま話は流れたけど、思わずちょっと突っ込みたくはなりました。


日頃全然歴史の話をされない人だし、多分「たかじんのそこまで言って委員会」で東中野氏が出てきた回を見たとか、ネットでその手の情報をたまたま見かけたとか、そんな程度の話だとは思うんですけど。


Apemanさんが、前に「南京事件否定論のカジュアル化」について書いておられていたけど、自分の体験も含めて、何か一般の方の間で、「実は〜なんだよ」という軽いトリビア的豆知識としての「南京事件否定論」が広がっているような感じが少しするんですよね。


あるある大事典」を見て、「実は黒酢って冷え性に良かったんだ」と思ってしまうのと同じ様に、全く歴史に関心がない一般の方が、数多く流される歴史修正主義的言説に、ネットや本でたまたま触れて、「南京事件って実はなかったらしい」と思ってしまう。「あるある大事典」じゃなくて「ないない大虐殺」(いまいちなネーミングだ…)としての南京事件


僕は、気合の入った歴史修正主義の人は、それはそれで嫌だけれど、もはや仕方ないのかなと思う部分はあります。ほとんど議論が成り立たないこともあるけど、その人にとって歴史修正主義がどうしても必要なのかもしれないし。


けど、そういう修正主義の素養?がない、歴史に日頃関心がない、一般の人に南京事件否定論が広がっていっている現状があるのであれば、そちらの方がちょっと看過し難いですね。歴史修正主義は何としても歴史修正主義者の中だけで止めておきたいです。