ベトナム旅行に行ってきました

少しというか結構前のことになるけど、妻と2人で4日間のベトナム旅行に行ってきました。行き先はホーチミン。語学力がないので、もちろんツアーです。


まず面白かったのは、「ベトナムに行く」といった時の実家の家族や職場の人達の反応。あまりベトナムに関心のない家族は「そんな所に行って大丈夫なの?」という反応で、職場で海外旅行が好きそうな人は「ベトナム?いいですねぇ」という反応でした。ベトナムのイメージが両極化している様な感じです。関心のない人が持っている「社会主義ベトナム」と旅行好きの人が持っている「雑貨のベトナム」。


2日目の午後の観光はホーチミン市の雑貨店めぐりかベトナム戦争時のクチトンネル見学か選べるようになっていたのだけど、クチトンネル観光を選んだのは僕達夫婦だけで、ツアーの他の皆さんは全員雑貨店巡りでした。ベトナム戦争には皆さん殆ど関心がないんですね。
似た様な話は他にもあって、ベトナムから帰ってきた後に妻が職場でお土産を配った時に、前にベトナムに行った事がある人が、中央郵便局に絵がかかっていたおじいさん(下の写真)が誰だか知らなかったとの事。





ホーチミンじゃん。街の名前にもなっているじゃん。ベトナムの紙幣全部この人じゃん。…と妻からその話を聞いたときに思わず突っ込んでしまいましたけど、実際はそんな物なのかもしれませんね。僕自身がベトナム戦争が終わる頃に生まれた人間だからなあ。ホーチミンベトナム戦争も遠い存在になってしまったということなんでしょうか。


今回の旅行で一番面白かったのが、僕達夫婦だけが行ったクチトンネルの見学でした。


特に面白かったというか、印象的だったのが、トンネル見学の最初に見せられたベトナム戦争のビデオで、日本語のナレーション入り。ベトナム人民兵士の敢闘ぶりを映したものなんですが、ナレーションに「アメリカの傀儡政権」とか「鬼の様なアメリカ」とかいう単語が入っていて、聞いていて、「プロパガンダだなあ」「いつの時代の言葉だよ」と思わず苦笑してしまいました。


僕は、旅行に行く前後に、ベトナム戦争の本を何冊か読んだりしたけど、「左」側の人間だし、欧米よりアジアびいきの人間なので、彼ら(ベトナム共産党)も色々と批判されるべきだとは思いながらも、独立の為に苦闘したベトナムの方にかなり共感を感じて読んでました。それでも、あのビデオの内容を真面目に受け取るのは、どうにも違和感があって無理でした。アナクロ感やプロパガンダ感が漂い過ぎ。


靖国神社にも、X Japanの曲が流れるビデオがあるらしいけれど、そのビデオを、外国の人が見たら、想像するまでもなく、無茶苦茶違和感を持たれるでしょうね。「左」の僕ですら、ベトナム戦争の映像に違和感を感じたわけだし、外国の人は僕の場合よりはるかに戦時中の日本に共感を感じていないだろうし。外国の人が遊就館の主張を正しいと納得してくれる日が来るなんて、ゆめゆめ思わないほうがいいのかもしれません。