安倍氏の賞賛するサッチャーの教育改革について

安倍晋三の教育改革 もしもの老子/ウェブリブログ
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安倍氏の賞賛するサッチャーの教育改革が、実際はどうだったのかについて。

 次期首相にほぼ確定した安倍晋三官房長官は、政権公約の柱に教育改革を掲げた。近著『美しい国へ』(文春新書)でも一章を割き、英国サッチャー政権のラディカルな改革をモデルとして讃えている。彼は、「サッチャーは、植民地政策が生んだ自虐史観の偏向教育を是正し、…(略)この改革をブレアが引き継ぎ、自らの成果とまで自負している」と書く。
 愛国教育に加え、中央集権と競争原理の改革を志向する安倍氏らしい。だが、間違っている。サッチャー改革では基礎学力は向上せず、教育機会格差は拡大し、放校、退学処分者が続出、彼らによる犯罪も増加した。教育の荒廃を止めたのはブレアで、教育機会の地域間格差、階層間格差の是正、いわば「落ちこぼれを出さない施策」に注力し、社会保障費を削ってまで教育予算を三割増やした。
(略)
 これらの事実を安倍氏は書かない。不勉強か曲解か。その底の浅さが悲しい。(辻広雅文)



これは、僕も同じ話を昔聞いたことがあります。僕は数年前にフリーター問題について仕事で調べていて、海外の状況を参考にするために、イギリスのブレア政権のニューディール政策(有名な米国の政策と同じ名前)を研究されている方(イギリスに留学されていた院生の方だったと思う)にお話を伺う機会があったんだけど、その方も、開口一番「サッチャー改革でイギリスの教育や若者を取り巻く状況は無茶苦茶になりました」と仰っていて、サッチャーの教育改革に極めて否定的でした。


ともあれ「サッチャーが教育改革を行い、ブレアがそれを継承した」というのは、一つの神話の可能性があるので、あまりそのまま受け取らない方がいいと思います。要批判的検証。


でも、サッチャー教育改革礼賛って、前から日本会議関係の人達の発言でちょくちょく見かけていたので、安倍氏が著書で主張されてもあまり新味はしませんでした。こんな本も出しているみたいだし。サッチャー教育改革で一番重要なのは、「自虐史観の偏向教育を是正した」ところなんでしょうね。おそらく。