「教育再生」という言葉が今更ながら気になってきた

教育基本法改正案が残念ながら通ってしまいましたが、安倍首相などが良く使うので、嫌でも新聞とかネットで目に入る「教育再生」の言葉が、今更ながら気になってきました。「教育改革」という言葉はあまり気にならないんですけど。


「再生」というからには、前に「生きていた」状態があるという事ですよね。「教育再生」という事は、以前には、望ましい教育がされていた、教育が「生きていた」という事なんでしょうが、それって一体何時のことよ?


日本教育再生機構のホームページを見たら、八木理事長の「今、私は明治の初年に明治天皇が示された五箇条の御誓文の精神に立ち返ることを提唱したい。」の挨拶とともに、御誓文が書かれた画像が載っているけど、もしやその時代? どんなに古くても教育勅語ぐらいまでかと思ってたけど、そこまで戻るの?


日本教育再生機構のホームページを続けて読んでいると、「教育再生から日本の再生へ」という言葉が使われていて、こちらの言葉も同じ様に気になりますね。彼達が再生したい日本って一体何時のことなんだろう。


再生するに足る日本って過去に存在したのでしょうか。この櫻井よしこさんの発言内容とか読むと何だか苛立ってきます。「経済も数学も、鎖国の時の日本のレベルは世界一だった。本当に奇跡のような国家を作った」と本当に彼女は思っているのでしょうか。何をもって経済や数学を世界一と言っているのかは別として、職業選択の自由さえもない時代だよ。櫻井さんもジャーナリストになれないじゃん(そもそもあの時代には、ジャーナリストという職業自体がないですけど)。


あんな時代を僕はとても奇跡とは呼べないな。僕は、戦後の日本に生まれて、本当に良かったと思います。と、日本教育再生機構曰く「60年以上にわたって深く国民の心と体を蝕」んできた、「歴史と伝統を否定する『戦後教育』」を受けてきた僕は思うのでした。