神奈川県警の例の事件について

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070906it12.htm?from=top

電車マナーの悪い男子高校生(16)を殴ったとして現行犯逮捕された神奈川県警大和署の巡査長(33)(釈放)を擁護する意見が、県内外から県警に約1000件寄せられ、県警は6日、事件についての説明が足りなかったと異例の追加の記者会見を行った。



神奈川県警の例の事件についての感想です。


前々から言われていることですが、記者クラブの弊害として言われている事に、行政は記者発表する際にまず自分達で情報を事前に取捨選択し、報道機関の人もリソースに限界があるので、行政の発表や資料をベースにして記事を書くことが多い、というのがありますが、今回の話はそれが背景にあったのかなという印象を持っています。
(僕も、役所で調査系の記者発表の仕事を何回かしてましたが、そのあたりの問題意識は実感として少し持っていました。)


おそらく、最初の記者発表の際に、県警は自分達の不祥事ですから、(どの組織でも一緒だと思いますが)言葉を濁したり、詳細な説明を避けたりという部分があったのだろうなと思います。そうしたら、それをベースに行われた報道に、事実関係に誤解を産む余地があって、話が思ったより大きくなってしまったので、巷の誤解を訂正せざるを得なくなって、再度の記者会見をする羽目になったんじゃないかと。当事者でないので推察ですけど。


ただ、結果的にはネットや巷で騒がれてよかったのではないかとも思います。実際の経過がどうであれ、騒がれていなければ、県警にとって「説明が足りない」、しかし彼達にとって都合の良い報道内容のままで終わっていたわけなので。


推測ついでに話を続けると、不祥事系の話なんで、もう少しマスコミ側の取材姿勢も厳しい様な気もするのですが、県警が新たに記者会見を行わないと、より確からしいと思われる情報が出てこないというのは、これも問題として前から言われている事ですが、警察側が被害者の氏名を報道機関に出さなくて、それで被害者側に取材することが出来なかった、というのも考えられる話かなと思います。


ここら辺はちょっと分からないですけどね。被害者の名前が発表時に出されていたのにも関わらず、重要度が低い記事という事で、各社とも被害者側の声を取らずに記事にしたのかもしれませんし。