時津風部屋の暴行の件と、妻との会話 

大相撲の時津風部屋の暴行の件について。「逃走後に連れ戻されて、暴行を受けて死んでしまった」という経過を見ると、何処ぞのヨットスクールかヤクザの監禁か、という様な印象ですね。


テレビの朝のニュースでも、「かわいがり」と称して、倒れた相手に竹刀でお尻を叩いたりとか、砂や塩を口に入れたりしているとか言ってましたね。昔からの伝統なのかもしれませんが、この豊かな時代にこんな事をしていたら、入門弟子が減って衰退するのはどう見ても必然の様な気が…。


親方は、最初は通常の稽古で、急性心不全で死んだと言っていたみたいですね。言い逃れて隠そうとされたのだと思いますが、その話を聞いて、妻と「あの件とよく似ているね」と会話をしてました。自分達の周りでも、それを思い出させる様な、似た様な話が前にあったのです。


妻の勤め先の知人で、上司のモラルハラスメントを苦にして自殺をされた方がいます。その方はメモにも、そのハラスメントの事を書き遺されていました。それで、組合に対する説明みたいなものがその上司や管理職からあったのですが、出席していた妻から聞くと、彼達は「職場環境はそれほど悪いものではなかった」「彼は精神的に弱かった」「悩まなくていい、小さな事で思い悩んでいた」との説明に終始していたとの事でした。


自分の管理責任を認めてしまうと、自分の生活や将来(出世)に悪影響が出るから、まず可能な限り、事故や当人の精神的弱さのせいにしてしまう。この様な対応は、何らかの事故やいじめによる自殺が起きたときでも、よく見られる様な感じですよね。


その後で妻と、最近よく報道される光市母子殺人事件の話にも絡んで、「報道される死には感情移入するけれど、自分の利害に関わると、人間って人の死に対して冷たくなれるのかもしれないね」みたいな、ちょっと暗い会話を交わしていました。妻の職場の上司や管理職の人達も、日常ではごく「普通」の人達もいるわけで、その様な人達でも、部下(一緒に働いている仲間ですよ)の自殺に対して、遺書も残しているのに、(内心葛藤があったかもしれませんが)「当人の問題です」と言えてしまうと。


勿論、僕もこの上司の人達の立場になってしまった時に、自分は言い逃れをしない人間だと、とても言い切ることができません。というか、多分してしまいそうだな。僕も自分が可愛い、十分浅ましい人間なので…。