数字には本当に悩みます

「男女共同参画」型、引っ込み思案フェミニズム? - ふぇみにすとの論考id:kmizusawaさんのコメント。

行政が絡んでいる場合(主催だけでなく共催や委託事業などでも)、管理部門の人間はどうしても数値でものを見る(というより数値でしか見ない)傾向があるので、「人を呼べる」ということを実績としてアピールしないと次がないとか、センターの場合、指定管理どころか存続も危ういとかいう事情もあるのではと思います。



行政と数値評価について。僕もセミナーの企画の仕事をしていた事がありますが、これには本当に同感ですね…。行政の内部でもそうですよ。


企業向けのセミナーを企画していたのですが、参加率がいいテーマと、行政として伝えるべきと考えるテーマというのに食い違いがあるんですよね。企業の方は、当然ながら商売上得になるテーマだと思われたら参加されます。一方で、行政の担当としては、法律改正や人権などの啓発関係のテーマ等でも開催したいのですが、そういうテーマは往々にして商売上あまり得にならないテーマなので、やっぱり参加者が少なくなる事が多いです。


それで、特に最近「実績」重視だという事で、数字(この場合は参加人数)が要求され、数字が良くない事業についてはどんどん予算カットされてしまう風潮ですので、どうしても数字が出るテーマに流れやすくなってしまうと。事業がなくなれば元も子もありませんし。個人的には、100人に50の価値があるテーマを伝えるより、70人に100の価値があるテーマでセミナーを開催したい。ですけど、価値のあるテーマというのは数値化できないし、それを評価するシステムもないので、なかなか難しいです。少なくとも自分の勤め先の自治体では。


それだけだったらいいんですが、予算等でプレッシャーを掛けられた結果、数字を残す事が第一になってしまうと、例えば、セミナーの参加人数が少なかったら、「サクラで人数を増やす」という事に繋がりかねないんですよね。前に問題になった足立区の学力テストの件とかも、「数字で、予算や人事評価のプレッシャーを掛けられた結果、不正な方法に走ってしまう」という構造自体は、どこの役所(自分の仕事)でも潜在的に抱えている問題で、あまり他人事でなかったです。短絡的に数字で評価する事そのものが悪いというつもりもないんですが。