橋下知事のNHK出演拒否の件について

http://www.asahi.com/politics/update/0209/OSK200802090115.html

大阪府橋下徹知事は9日、今後はNHKのスタジオ収録には出演しない考えを示した。8日に大阪放送局の番組に出演した際、対応が不適切だったとして「黙っていてもお金が入ってくる組織はこういうものか」と批判。ただ、取材を拒否する考えはないという。

橋下知事は9日、府庁内で記者団からいきさつを問われ、「NHKは(あいさつ回りを)切り上げてでも番組に出ろと強硬に言ってきた。はじめから絶対に間に合わないと言っていたが、とにかく出ろ、出るのが公務だ、義務だと。スタジオに呼びつけられることまでは公務とは思っていないので一切行かない」と不満をぶちまけた。



僕も当該NHKの番組はほんの少しだけ見たけど、橋下知事が丁度反論しているところで、そのせいか知事の印象はあまり良くなかった。でも、それは見た人によって色々と印象が異なるだろうから置いておくとしても、こうしてNHKをおおっぴらに批判し、「一切行かない」と宣言するのは、果たして知事として適切な行動なんだろうかと思う。


勿論、彼が一タレントであれば、対応が失礼だったという理由で「今後行かない」と言っても、別に自由だし個人の勝手だ。でも彼はもうタレントではなくて、府知事なわけである。橋下氏は「大阪のセールスマンになる」とも選挙中に言っていた。彼は、NHKの番組に「一切」行かないと宣言しているわけだから、そのNHKの番組が、大阪をアピールする良い機会であったとしても、恐らく出演しないんだろう。知事であれば、テレビ出演等については、自分の好き嫌いの感情より、府民の利益を考慮してその都度判断するべきであると思うのだけど、橋下知事はそれが逆転してしまっている。


僕も、例えば差別的な発言をされたとか、もっと深刻な話であれば、「今後出演しない」と判断して適当な場合がある様に思う。しかし、出演の際の遅刻に関する局とのイザコザとか、嫌味とも聞こえる紹介に腹を立てたりとか、基本的にどうでもいい、スケールが小さい揉め事である。こんな程度の話なら、単に秘書課なり広報課なりを通じて、然るべき方法で善処を求めたら済む話で、わざわざ「一切行かない」と決めて公言する話なんだろうかと思う。


これに限らず、橋下氏の知事になってからの言動を色々と新聞などで見ていると、府民やその他の人達の利害や迷惑をあまり熟慮せずに、自分の感覚や感情でまず発言し、動いているという様な印象を受ける。府市と財界が費用を出している御堂筋パレードを廃止すると自分の一存で勝手に言ってしまったせいか、平松市長も就任挨拶の際に「迷惑をかけるな」と注文を入れていたけれど。知事になったからには、橋下氏には府民のために頑張って欲しいけれど、見ていて少し不安な気持ちになってくる。