派遣村関係でいくつか思った事

路頭に迷う元派遣労働者に対する一部報道を見て - 講師伊藤のメモ帳

手抜き工事のマンションに住まわざるをえなくなった住人が大地震を受けて全壊して被災し、避難所にやってきたところへテレビカメラがのこのこやってきて、「君が安易に手抜き工事の家に住むからだ」と説教するのだろうか。(中略)派遣契約の途中に、突然違法に解雇された人間に、何の過失があるというのだろうか。その若者がどういう生い立ちで派遣で働くことになったのかなど、極論すれば触れる必要もない事じゃないか。



派遣村批判でよく見る「派遣社員はそういうものだとわかっていたのに、何故彼らは何もしなかったのか」という批判を見ると、そういう貴方は、人生のリスクを全て感知して、それに対処できているのかと問いたくなってくる。日本に住む以上、大地震に襲われるリスクがあるのは良く知られていることである。だとすると、派遣村の人達を上記の様に批判する人は、地震で自分の家が崩壊しても、そういうリスクがあることはわかっていたのに、耐震補強をしなかった、崩壊する様な建築物に住んでいた自己責任と割り切って行政に助けを求めないのだろうか。厚生労働省の人達も、派遣村の問題については、一種の災害の様なものであると回答していたわけだけど。


http://d.hatena.ne.jp/usoki/20090111#1231688396

しかし、派遣社員をキリギリスに対比するのは、どう考えても不適当だ。
なんせ派遣社員は、朝から晩まで(あるいは、晩から朝まで)せっせと働いている/いたんだから。



僕もusokiさんに全く同意見なんだけれど、余暇の時間も自己啓発に使わなければ、キリギリスだという事にされてしまうらしい。僕は数年前に、フリーターの就業支援について、仕事で調べていた事があったけれど、その時にもフリーター=キリギリス的な意見は数多く見た。彼らは正社員になろうとせずに自由気ままに遊んでいる、自業自得だと。そして今度は派遣社員。もう少し後になれば、正社員でリストラにあった人に対しても、「彼らは首にならない様に努力せず、自己啓発に努めなかったから」とキリギリス認定をされてしまう事になるのだろうか。