「平成の坂本龍馬」橋下知事

http://www.asahi.com/politics/update/1220/NGY201012200041.html

自らも地域政党減税日本」を率いる河村市長は「(愛知と大阪は)平成の薩長同盟だ」と気勢を上げ、橋下知事も「我々の理念は全く一緒だ」と連携をアピールした。



ブクマコメントも指摘されているとおり、政治家の「幕末の志士」気取りは確かに食傷気味なのですが、僕は橋下知事は「平成の坂本龍馬」だと個人的に思っています。
…といっても、実像(実際の業績)に比して過大評価されている様に思われる点においてですが。


一般的に坂本龍馬を評価する人は、司馬遼太郎の小説における虚像の坂本龍馬を実像だと思い評価してしまっているわけですが、橋下知事の場合はその司馬遼太郎の小説の役割を、例の「予算黒字化」の報道が果たしている様に思っています。地方自治体においては、借金も予算上の収入に含まれるため、予算の黒字・赤字に殆ど意味はないわけですが、一般の方はその様な会計の仕組みは分かりませんから、家計と同じ様に考えて「黒字になった」という情報だけで、さも大阪府財政問題が解決し、彼に実行力があるかの様に思ってしまう。業績にならないことを業績として評価してしまっているわけです。


一方で、その評価と異なる否定的な情報も存在するのですが、その様な情報、例えば、府債の「総額」が増えていること、府の財政指標が悪化していることについては、歴史的事実としての坂本龍馬の情報と同じく、情報としてあまり流通していません(良い数字が出ていたら橋下知事が大々的にアピールした結果、情報として流通していたのかもしれませんが)。相当程度能動的に動かないと得られない情報です。しかしながら、大抵の人は関心はあっても、そこまで能動的に調べることはありません。その結果、否定的な情報を知る事なく、誤解を含んだ彼の業績に対する評価を維持し続けてしまう。


(それを事実だと思うと誤解する)肯定的な情報が大きく流通し、逆に否定的な情報は殆ど流通していない状況下で、その人への過大評価(神話)が発生する。毎日新聞でアンケートをとったら橋下知事が最も坂本龍馬のイメージに最も近い政治家の1位だったという記事が前にありましたが、僕も違う意味において、橋下知事坂本龍馬のイメージに最も近い政治家なのではないかと思うのです。