大阪維新の会のデータの恣意的な読み替え例

橋下ハシズムの妄想と戦う、平松大阪市長のことば - umeten's blog経由で知った平松市長の発言。

データの恣意的な読み替え、論理のすり替え、発言のぶれなど、「都構想」を唱える人たちへの反論はまだいくらでもありますが、今はこれぐらいにしておきましょう。



確かに、僕も「都構想」を唱える人たちが出すデータには違和感を持っていました。


http://www.irahara.jp/goaisatu.html

答えは「お金がない」から、やりたい事が出来ないのです。
大阪府の負債は7兆2千億円。大阪市の負債は6兆円。

様々なものが積み重なり、このままだと2015年に、夕張市同様の財政破綻する試算です。
大阪府も2016年に、早期健全化団体に転落する試算です。
大阪は、明らかにこのままではいけないのです。



大阪府の府債は前から一般的に5兆円と言われていて、今年度の予算書の記者発表資料では5兆2500億円程度なのですが、大阪維新の会のこの方は何故かその数値を採用せず、大阪府の負債は7兆2000億円だと主張されているようです。2兆円もの差。
で見ると、「※大阪府「平成19年度バランスシート・行政コスト計算書の試算」連結バランスシート…による」の文字が。予算上の金額ではなくて試算で出てきた金額を使っているわけですね。


「平成19年度バランスシート・行政コスト計算書の試算」
で、それはまあ良いとしても、この7兆2000億円という数値は、当該資料の18ページ「大阪府の連結バランスシート」の負債の数値を使っているのですが、引っ掛かるのはこのページの最下部にある留意事項。「この連結バランスシートは、当団体と連携協力して行政サービスを実施している関係団体を連結して、一つの行政主体であるとみなして作成したものであり、関係団体の資産及び負債等が当団体に帰属するものではない点にご留意下さい。」と書かれています。わざわざ大阪府に帰属しないと明記されている負債を、大阪府の負債に含めるのっておかしいんじゃないでしょうか?「当団体に帰属するものではない」というのを「当団体に帰属する」と読み替えているの?


これは推測ですが、大阪維新の会がこの資料の数値を使うのは、負債の金額が一番大きい資料だったからではないかと思います。「このままではいけない」という危機感を煽るために。危機感を煽るには、府や市の負債は大きければ大きい程都合が良いですから。


でも、こうやって危機感を煽るのはいいですけど、橋下知事が財政を再建したという手柄話と矛盾するんじゃないかと思うんですけどね。大阪府は黒字になったはずなのに、何故2016年度に早期健全化団体に転落するの?という話になりますし。そこで自治体の予算において黒字に意味がない事がバレるという。自分達が利用したい橋下神話を自分達で暴くの図。