大阪府教育基本条例の懲戒処分対象例から抜け落ちたもの?

ネットで捜していてもなかなか見つからなかったのですが、こちらに大阪府教育基本条例の素案が掲載されていました。
大阪府・大阪市 「教育行政条例」「府立学校条例」 全条文 (教育基本条例案)


この朝日新聞の記事によりますと、職員や教員の懲戒・分限処分や人事評価基準の明確化を図るこの条例は、橋下流改革の「集大成」と位置づけてられている様ですが、実際には、懲戒・分限処分の基準については、既に内部の基準として定められているものをそのまま引用しているのが実情の様です。
http://www.pref.osaka.jp/kyoikusomu/cyoukaisyobunsisin/kyouicyoukaisisin.html
大阪府/大阪府教育委員会分限処分指針(府立学校)


上記のリンク先が、既に内部の基準として定められている懲戒処分指針と分限処分指針なのですが、条例の別表第1〜第3と、懲戒処分指針と分限処分指針の内容を見比べれば、その殆どがそのまま引用されている事がわかります。順序も殆ど一緒ですから、基本的にはこの内容をそのまま丸写ししていると言ってよいでしょう。


そこで、条例と処分指針とで違っている部分があるのか見比べてみたのですが、懲戒処分では職員・教員の政治的行為に関する基準が、新たに条例では付け加えられています。これは大阪維新の会の府議員団のブログにも記載されていたので、前から承知していたのですが、逆に基準から抜け落ちていたものがありまして、その部分が僕には気になりました。


それが「児童生徒に対するわいせつ行為」「児童生徒への体罰」でして、懲戒処分の指針では「児童生徒にわいせつ行為を行った職員は、免職とする。」「児童生徒に体罰を行った職員は、停職、減給又は戒告とする。」と基準が定められていたのですが、教育基本条例では、その部分が奇麗にそれが抜け落ちてしまっています。


他の部分は普通に殆ど丸写しにしているのに、これだけ誤って抜け落ちたと言う事も考えづらく、意図的になされたものと考えるのが自然だと思いますが、あれほど教員の管理やマネジメントを叫ぶ一方で、これらの行為だけ、わざわざ条例の懲戒対象の一覧から落とされてしまったことに、少し気味悪いものを感じてしまいました。本条例案大阪府議会を通るのはまず確実で、基準から抜け落ちたこれらの行為については、今後、本条例第25条第2項により、別表第1と比較のうえ、処分がされることになるわけですが、それで何か問題が起こらなければよいのですが。