橋下氏の「功績」の矛盾の件

井戸まさとし(スズメおやじ) on Twitter: "谷川議員の引退は当然としても後釜に大阪府の借金を膨れあがらせたあの女性元知事の名前が上がるとは。自民党も懲りてないですね。"

後釜に大阪府の借金を膨れあがらせたあの女性元知事の名前が上がるとは。



維新の会の人達は、「太田府政は財政を悪化させたが、橋下改革により救われた」と功績を語る一方で、大阪府の府債が橋下氏の任期中に増加している事を指摘されると、臨時財政対策債等を除いた府の「府の実質的な借金の残高」なるものが減少したことを功績として持ち出されるのですが、彼らの主張を見る限り、その二つはそもそも相容れない主張の様に思うのでした。


http://www.pref.osaka.jp/koho/chiji/20110510_husi.html
といいますのも、上のリンク先が、大阪府のホームページに載っている橋下前知事の主張のページで、上記のとおり「臨時財政対策債等を除くと、府の実質的な借金の残高は減少している」と主張しているわけですが、彼の主張による「府の実質的な借金の残高」では、太田府政の時から既に減少傾向が続いているように見えるからです。グラフ1を見ると一目瞭然です。


つまり、「太田氏が大阪府の借金を膨れあがらせた」というのであれば、上記の資料を見る限り、その借金は「府の実質的な借金の残高」ではなく府債総額の話と思われるので、太田氏を批判するのであれば、橋下氏についても同様に批判されるはずですし、逆に、橋下氏を「府の実質的な借金の残高を減少させたのが功績だ」と評価するのであれば、太田府政を「大阪府の借金を膨れ上がらせた」と批判することはできないはずです。


しかし、大阪維新の会の人達は、太田氏が大阪府の借金を膨れ上がらせたことを批判しつつ、一方で橋下氏が府の実質的な借金の残高を減少させたことを評価するわけです。当の橋下氏が「借金残高はピークである平成14年度の3兆233億円から平成21年度の2兆7,708億円(決算額)へと確実に減ってきています。」と太田府政で府の実質的な借金の残高が減っていることを認めているのに。むしろ、維新の会の人達が、大阪市の平松前市長が財政指標を良化させたことを「それは関前市長の成果で平松氏の功績でない」と言っていたことを考えると、これについても「それは太田前知事の成果で橋下氏の功績でない」と言っても良さそうなものですが。


せめて、自分達の主張の中だけでも、自分達の功績を矛盾無く主張できないものかとも思いますが、わざわざそうしなくても「太田府政は財政を悪化させたが、橋下改革により救われた」と思っている人はそれなりにいるわけで、必要性を感じていないんでしょうね。数字や引用する指標の整合性より、わかりやすい「予算の黒字化」(しかし収入には借金が含まれる)アピールが功を奏するわけです。漠然とした予感ですが、大阪市政でも、その様な、わかりやすい数値のアピールが再び繰り返されそうな気がしています。